スマホ脳 /A.ハンセン

人類の進歩と遺伝子

 生命がこの世に洗われて6億年(正確かどうか自信がない)、人類(らしきものが)現れて200万年(正確かどうか自信がない)。人類(生物)は生き残るためのノウハウを遺伝子という形で焼き付け残してきたわけだけど、ここ数十年(生命や人類の歴史に比してなんと短い期間)の急激な人類の進歩(良い意味じゃないかもしれない)は遺伝子に蓄えてきたノウハウと多くの部分で本来あり得ない矛盾を生じて逆に人間を苦しめている。
 この本は「スマホ脳」というタイトルだけどスマホは遺伝子の情報と矛盾を引き起こす進歩の象徴であってそのような矛盾を引き起こす物や事象は沢山あるのかもしれない。
 この本を読むとストレスとか不安とか現代人を苦しめているものの根本的な原因が理解できて、その解決に役立つと感じた。

スマホのデメリット

 スマホのデメリットはちょっと想像しただけでもたくさん思いつくけど、この本で改めて列挙されるとちょっと恐怖。
 まあ、たぶん想像通りだし詳しく知りたければ本書を読めばよいのだからここでは詳しく書かないが、読むとほんとにスマホが怖くなる。
 スティーブ・ジョブズが自分の子供にiPadを持たせなかったという事実も頷ける。実際デメリットだけを考えるとスマホが原因で人類が滅亡してしまうのではないかと思えるくらい恐ろしい。
 恐ろしいんだ、スマホは。

スマホなしでは暮らせない(現実)


 ところがもはや社会はスマホなしでは暮らせないところまで来ている。「おれはガラケーで充分だ」と宣うジジイもけっこういるけど、ガラケーしか持たず(携帯自体持たず)いまだにビジネスの連絡にFAXを使っているようなヤカラがはびこっているから日本は世界のデジタル化から遅れを取り笑いものになっているという現実も見逃せない。
 今これを書いている2021年6月、新型コロナウィルスのワクチン接種の予約もスマホを使ってネットで予約する人のほうが電話で予約する人よりはるかに取りやすいし、ネットを使えない人が「不公平だ!」の大合唱をしても現実は変わらない。
 もういまやパソコンもスマホも使えない、ネットなんかぜんぜん使えないという人は読み書きできない文盲と同じだ。そのくらいスマホ(ネット)は世の中の重要な基盤となっている。

じゃあどうしたらいいの?

 スマホはデメリットだらけ、なのにスマホ(ネット)なしでは暮らしていけない世の中。じゃあどうしたらよいのか。
 この「スマホ脳」を読めばちゃんと書いてある。スマホのデメリットやそのメカニズムを理解できればスマホとの付き合い方が導き出される。そこまで書いてあるからこの本には価値がある。
 最後の訳者の謝辞に「人生のバイブル」という言葉が出てくるけど、この言葉が一概に大げさとは言えないくらい役に立つことが分かりやすく書かれている本だと言えよう。

スマホ脳(新潮新書) /アンデシュ・ハンセン (著), 久山葉子 (翻訳)